2013年04月12日
『羆撃ち』を読み終えて
先日ご紹介した、この本
きのう読み終えました
いやはや・・・
上手く表現できませんが、ボクの自然保護精神のバイブル的な本になりました
ボクは自然保護に携わる人間です
ですが、常々、生きものを捕っています
生きものを捕りながら
その生息環境をよく理解するよう努めています
いや、ちがうな・・・
生きものを捕ることで、少しずつではありますが、その生息環境を理解できているのです
この本を書いた久保俊治(としはる)さんは1947年生まれ。ボクより21歳年上ですから、現在65歳でしょうか。今の時代の人ですね。
20代のころ専業の羆(ひぐま)ハンターになり、雪の北海道の山中で何日もビバークしながら羆を追います。たった独りで何十キロも追うのです。
生きものを相手にすることに対して、自然を相手にすることに対して、信念を持っています
例えば、何十キロも山奥で仕留めた巨大な羆を、何日もかけ、何往復もして、すべて持ち帰ります。自分へのあまえは捨て去っています。
自然に向き合うにあたり、さまざまな点で自分を戒めています
あるとき、その戒めが緩んだ時の文です
「奢(おご)りであったのか、油断だったのか。いつのまにか自分が最も戒めていたはずの、自然から貪(むさぼ)ろうとする卑しい根性に取りつかれていたのだ。」
この精神なんです
ボクが自分にとって大切だと思うのは
ですが、ボクは、
その精神を持ちたいと思いながらも、自分に甘えてしまうことが多い
たくさん釣れれば、
釣れるだけ釣ろうとしてしまうことがある
たくさん捕れれば、
捕れるだけ捕ろうとしてしまうことがあるのです
自然から貪ろうとする卑しい自分が、自分の中に居る。
なんとも恥ずかしいことです。
自分への戒めの気持ちを強く持たねば
と、あらためて考えさせてくれる本でした。
小学館文庫
久保俊治著『羆撃ち』
638円+税
Posted by ぶんや at 08:42│Comments(0)
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